何のために歌なんぞ作ったり、音源なんぞ作ったりしてるんだ?
定期的にそんな事を思ったりする。
若い頃の記憶を辿ってみる。
初めて自分の楽器を手に入れたのはウクレレだった。
当時ミュージシャンだった叔父のウクレレが目に入り、
ちょっと触ってみると面白かったので欲しがった。
すると叔父が新しいウクレレをプレゼントしてくれた。
ウクレレ教本を見て、コードを覚え、明星だの何だのの付録に
当時流行っていた歌のコード譜みたいなものがあったので
それを見ながらウクレレでジャンジャカジャンと弾いていた。
小学5~6年の頃の話だ。
中学生になるとフォークソングブームなるのがあり
誰もがフォークギターを手にしていた。
当然のごとく、僕もフォークギターを欲しがったが、
安いものを買ってもすぐ飽きる!少し辛抱しろ!良いのを買ってやる!
と親父に言われ、2年ほど辛抱したわけだが、
辛抱できないので友達から借りて練習したりしていた。
2年後、約束通り叔父が選んでくれたフォークギターを買ってもらった。
当時4万もするギターで超お気に入りになったが、
正直な話、1万円以下のギターで良いのですぐに欲しかったのは言うまでもない。
シンガーソングライターが当時の主流だったので
僕も自分で歌を作って唄うぞ!と意気込んだが、
中学生の僕には、その才能がなかったようでちっとも作れなかった。
歌詞が書けない・・・何を書いたら良いのか?
僕の中には、伝えたい事、思っている事、感じている事が何もなかった。
だから、書けるわけがない!
当時流行っていた歌の歌詞を適当にマネて書くことすら出来なかった。
きれいな言葉を並べる事さえも出来なかった。
暇さえあればギターを弾いていたので、
お袋が「高校落ちたら叔父さんに弟子入りしてギタリストでも目指したら?」と言った。
誰でも入れるような高校しか受けてないし・・・何とも現実味のない発言だった。
高校生になると、彼女も出来るし、青春めいた体験も結構するし、
あれ?もしかして歌詞書けるっぽくない?って感じで
出来はそりゃ~ひどいものだが、とにかく歌を書きまくった。
頭の中は恋愛の事ばかりが支配していたから、その手の歌ばかりだった気がする。
いつも部屋で弾き語ってた。
ノートを見れば、いまでもほぼ唄えると思う。
100曲近く作ったが、使えそうなのは2~3曲って感じだった。
大学生になると、ライブ喫茶(当時たくさんあった)で弾き語りするしかないだろう!
と、ライブ喫茶のオーディションなど受けに回ったりした。
よくよく考えると歌はヘタだったし、それ以上にMCヘタだった。
そういえば、歌の練習などまともにしたことがなかった。
弾き語りって、もしかしてMC、つまり話が面白くないとダメなんじゃね??
歌なんかより、途中の漫談を楽しみにしてるんじゃないか?
そうこうしているうちに、フォークなんか演ってる場合じゃない、ロックだ!
ロックを聴いてるくせに、何故にフォークなんて作ってるんだ?
そうだ!バンドだ!!フォークはヤメだ!!と心変わりする。
まさに数ヶ月で方向転換!
ところが、フォークとロックって全然違う・・・何かが決定的に違う。
1年以上、歌が書けなくなって四苦八苦する。
歌詞が書けなくなった・・・書いては何か違う!意味不明!
ダッサダサ!才能ないなぁ~ほんと・・・。
社会人になると、何故か歌詞が書けるようになる。
まぁ~いろいろと経験するってのもあるのだろう。
バンドを組んで、歌を書きまくる。
「GENERATION BALLAD」を書いた時、よし!来た!!と思った。
自分の中で納得できる最初の曲だった。
こういうのが書きたかったんだ!ウォォォォ~!!と心の中で叫んだ。
以後、バンドが解散するまでの数年間、とにかく歌を作り続けた。
歌を書き続けないとバンドが離れるという強迫観念もあった気がする。
環境が変わると歌を作る事が難しくなる。
普通、音楽の優先順位など低い。
歌なんぞ作ってる暇がないというか、あまり作る気にならなくなる。
ライブ活動を辞めてしまえば、披露する場もないわけで、
当然モチベーションも上がらないわけだから当然だ。
でも、歌にしたくなるような強烈な出来事は稀にあるわけで
そんな時は、迷わず歌を書いてしまう。
披露するしないに関わらず、衝動的に歌を書いてしまう。
歌にして吐き出してしまいたいって事なのかもしれない。
歌を作る理由は基本的にそういう事なんだろう。
そのうち、音楽なんぞやってるよりネットでチャットしてる方が楽しくて、
昔、歌も唄ってたけどねぇ~程度でほぼ興味を失う。
時代が変われば、環境も変わる。
突然世の中のインフラが変わり、ネット環境は激変!
ネット配信という発表の場が現れる。
急にやる気が出て、歌を作りまくり、音源作りまくりになる。
久々にやると超楽しいわけだ。
反応もあるから、調子に乗るよね。
そのうち、コラボブームなるものがやってきて、
楽曲提供してもらっては歌詞を書きまくり、音源を作りまくった。
年間60曲以上、歌詞を書いた。
あぁ~実は歌詞を書くことは得意で、全然苦にならない事に気が付く。
曲さえ作れれば、いくらでも歌詞は作れるじゃん!とか思った。
正直、作曲はそれほど得意ではなく、次から次へとメロが浮かぶタイプではない。
よって、作曲のペースが歌を作るペースとなり、
コラボをやめてからは、マイペースに戻る。
コラボと平行して、数年ライブ活動もしてたので
音楽的には充実した時期をこの頃過ごしていた。
歌を作り始めてから35年以上、ネット配信を始めてから17年・・・
楽しかったり、つまらなかったり、まぁ~いろいろある。
クリエーターが作ってくれるオケに驚愕し、打ち込み音源スゲ~!と夢中になった。
その圧倒的な音に慣れて来ると、シンプルなものに惹かれ始める。
だって、誰もが普通にそういう音源が作れる時代になったから。
なんかそういうの聴いててもスゲ~と思わなくなって来て・・・。
僕はクリエーターではないので、アレンジスゲ~とかサウンドがスゲ~とか、
そういうの実は全然嬉しくないし、肝心なのは歌なんだよ!と思う。
耳に飛び込んでくる言葉の響きが最重要項目であり、
伴奏はあくまで伴奏で主役じゃないのだよ。
クリエーターの人は、サウンドありきで歌などオマケであろう。
耳に飛び込んでくる言葉の響きが最重要項目という事は、
実は歌詞の細かい内容などそれほど重要ではなかったりする。
歌詞は読むものではなく聴くものだからだ。
耳に飛び込んできたワンフレーズでイメージ広げて妄想し、
この歌すごくイイ!と感じてしまうのが歌だと思う。
ある歌を聴いて、スゲ~面白いと思い、歌詞を見せてもらったら
妄想トリガーになるフレーズが並んでるだけで
思ったより全然書かれてはいなかった。
フレーズとフレーズの書かれていない部分を妄想しまくってた事に気付く。
メロディに乗せられたフレーズと表現する歌声がそうさせた。
こいつはスゲ~なと思った。
マネできる感性は持ち合わせていないなとも思った。
まぁ~この辺は聴いてる人の趣向によるんだろうけどね。
どんな音楽を聴いてきたかによるよね。
誰もが聴いてきた音楽に影響されてるから。
ここまでダラダラ書いて思うこと。
なんだかんだいって、歌を書くのは好きなんだろうなってこと。
じゃないと歌なんて書かないよね。
自分で聴きたいから歌作ってるんだよね、たぶん。
歌作ったって何も良いことなんてないんだよ。
でも、時々作りたくなる・・・って事なんだろうね。
全然関係ないけど、Guns N' Rosesのオープニングアクト!
これおっさんの声が入ってて、妙に面白いというか、なんというか、
おっさんの声が楽しいです。
PR