先週だったか、先々週だったか・・・
親父が入院した時に、親父からCDをもらった。
親父は詩吟の師範で、お弟子さんもたくさんいる。
オリジナルの詩吟もいくつか制作している。
まぁ~蛙の子は蛙というか、似たもの同士というか、
血は争えないというか、この親にしてこの子ありというか、
とにかく、そんな感じなのである。
で、過去に親父の吟をちゃんとレコしてあげたいなと
何度も思っていたのだが、実際にはなかなかそんな機会もなく
たぶん、実現しないまま終わるんだろうなぁ~と思っている。
もし、僕がレコしてあげるのなら、伴奏も生でレコしたいよね。
琴、尺八・・・準備も含めて考えるとかなり時間がかかる。
それぞれの先生に依頼して、リハして、レコして・・・
レコ日までに準備してもらうとしても、なかなかスケジュールがね。
一緒に住んでいるのであれば、いくらでも可能だけどね。
親父の住んでるところは僕の家から車で4時間近くかかるからな。
機材を積んで行くしかないけど、思いついて”よし!やろう!!”って
簡単にはいかないのである。
そうこうしているうちに、親父は5種類の癌になりドタバタしたわけで
すっかりパワーの落ちた親父の詩吟をレコしようなどという発想も
僕の中では消え失せてしまった。
そんな親父がCDを僕に渡した。
今年の6月に北見市民会館小ホールで行われた
第6回吟道練成大会に親父とお袋で出たのを
誰かがレコして、CDに焼いてくれたらしいのだ。
つまりはライブ録音ってわけだ。
それは綺麗にパッケージして作られていた。
そういうのが好きな人がいたんだね。
歌(謡)吟・・・らしい。
お袋が「川は流れる」を唄い、親父が「流水有情」を吟じてる。
歌と詩吟のミックスだな。
親父はここ2年ほど、脳梗塞だの癌だので入退院を繰り返してたんで
まともに発声練習はしていなかったはずである。
こういう大会にも当然出れる状態ではなかったので、
久々の登場に関係者は大喜びだったようである。
僕ももうまともに唄えないだろうと思ってたしね。
で、聴いた感想なのだが・・・。
お袋は相変わらず歌がヘタだな。(笑)
発声から何から、全然なってません。
ただ、ステージ度胸だけはある。
何百人の前で歌うことは、簡単な事ではないわけで、
そういう意味では大したもんですよ。
親父は、2年間のブランクを考えれば、想像以上に声が出てる。
そりゃ~昔聴いた全盛期と比べれば、高音は伸びてないし、
馬力もなくなったけど、年齢とブランクを考えれば恐れ入る。
昔から親父は僕より高音出てたからね。
たぶん、僕より1~2度上の発声できるんだと思う。
競ったことはないけど、親父の方がKeyは高いよなって思ってた。
何というか、ずっと発声を鍛えてきた人は、強いよなって思う。
今でも高音はスパっと一発で発声できるんだろうな。
声の立ち上がりは、僕より圧倒的に速い気がするし、
声を止めも僕より数倍キッチリ止める技術は持ってるはずだからね。
ジャンルは違っても、声を使ってる以上、歌なんだよね。
メロに言葉を乗せて、発声し止める。
ジャンルによって、発声の仕方や節回しの方法など、
技術的には細かい違いはあるだろうけど、共通することも多々ある。
唄う事に関しては、親父と話してても意見は一致するからね。
結局はどう発声して、どう止めるか!ってところに話が行く。
僕に言わせれば、詩吟もロックも唄うという意味では大差ないのである。
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