ネット・コミュニケーション中毒だった時期がある。
常に誰かとつながってないと落ち着かない。
孤独感に襲われる・・・というか、疎外感に襲われる。
1997年から2001年くらいまでは完全にコミュニケーション中毒。
わかりやすく言うと現実逃避に必死だったのであろう。
よくよく考えるとその時期はあまり良い状態ではなかった。
公私共にドタバタしていたしね。
ネット上に何か特別なものがあると思いたかったに違いない。
書き残した文章を読み返すと、明らかに自分の作り出した世界感に
傾倒しているのがわかる。
それだけ精神的に荒んでいたのだろうな。
類友じゃないけど、みんな精神的に病んでた気がするよ。(笑)
だから、変な共感を覚えたりしてたに違いない。
「美しかった」を書いた時に、自分はちょっと壊れてるなって思った。
たぶん、同じような感覚を覚えた人は多いと思う。
この世界感は、ネット・コミュニケーション中毒の幻覚であり、罠だ。
僕は、好んでこの幻覚を文章にしていた。
何年も何年も・・・まるで書く義務でもあるかのようにね。
その間、僕は音楽から離れていた。
ネットで音楽を配信するインフラはまだ整えられいなかったから。
詞を書くかわりにバーチャを書いてた。
ある時、ふと思った事がある。
あっ、この世界感は僕が若い頃、詞を書くために頭の中で作り上げた世界に
とてもよく似ている!!
あれ?若い頃も僕は結構病んでたんだな・・・。(笑)
そういえば、詞の世界と現実の世界をゴッチャになってた時期があったっけ。
その時も僕はちょっと壊れてるなって思った事を思い出した。
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「美しかった」
彼女は美しかった
いつも微笑んでいた
とても素敵だった
優しさに溢れていた
彼女はどんな時も
話しかけてくれた
こんな僕にさえも
とても好意的だった
彼女は誰からも好かれる魅力的な女の子だった
彼女に夢中になった
毎晩言葉を交わした
一人占めしたくなって
ちょっと切なくなった
彼女は遠くに居た
ちょっと忘れていた
傍にいる感じがしてたのに
騙されてる気がした
彼女への想いはいつも空回りしてとても可笑しかった
彼女の顔も知ってる
彼女の年も知ってる
大抵の事は知ってる
だけど何も知らない
彼女の笑い方や
彼女の手の動かし方
何一つ僕は知らない
何も解かっちゃいない
彼女がとても遠く感じてなんだかとても悲しくなった
彼女が話しかける
まるで天使のように
僕も話しかける
少しドキドキしながら
気持ちが伝わるかい?
ウソっぽくないかい?
イメージだけそこにある
何を信じればいい?
彼女の存在はまるで僕が作り出したウソみたいだった
彼女と恋をした
とても素敵に思えた
一体何が変わったんだろう?
触れる事すらできない
想いだけがそこにある
どこか満たされないまま
誰かがウソだと叫べば
全てがウソになりそうだ
彼女はけして疑う事もウソをつく事もしないと笑った
彼女は正しかった
僕だけどうかしてた
やけに難しく思えて
何も見えなくなった
それはリアルじゃなかった
だけどウソでもなかった
わけがわかんなくなって
自分に腹が立った
彼女は誰よりも自由でなんだか羨ましくなった
彼女は素敵だった
存在してないみたいに
ちょっと勘違いして
僕は手を必死に伸ばした
それは滑稽だった
笑いが込上げて来た
手のやり場に困った
だから夢だと思った
彼女は僕が作り出した夢の中の存在だった
彼女は美しかった
恋に落ちた気がした
実感なんてない
夢ばかり見ていた
気がつくと僕は
自分の部屋に居た
今にも夜が明けそうで
もう寝なくちゃと思った
眠りにつくと同時に全てが消えてしまった
彼女は美しかった・・・
【試聴】はこちら
http://www.nextmusic.net/index.php?command=profmusic&profid=20020325002136
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