僕が今までやって来たことは、よく考えると親父の後追いである。
僕がやってる事のほとんどをすでに若い頃の親父がやっていた。
あれもこれも・・・思わず笑っちまう。
そして思う・・・これが血なのかな・・・。
仕事でPVを作ってた事がある。
まだWin95時代にだ。
絵コンテを描いて、ロケ地に撮影に行き、映像編集をし、
BGMやナレーションを入れたショートムービーを作ってた。
今ならちょちょいと出来る映像編集も当時のPCだと
うんざりするほど時間がかかったものだ。
親父も同じ事をしていた。
8ミリ映写機でね。
今から40年近く前だろう。
親父は8ミリのカメラを購入した。
いろいろ撮影しては編集していた。
同僚の結婚式のためのPVを作ってた事がある。
たぶん、僕と同じように絵コンテを描いて、撮影していたに違いない。
8ミリなんでフィルムを切り貼りして編集していた。
その大変さは僕がPCでやっていた時の比じゃない。
そのムービーは今でも覚えている。
きっと親父の自慢の作品だったろう。
僕はたくさんのコラボレーション作品を発表してきた。
2002年頃からインフラが整い、ネットでの遠距離コラボが可能になった。
僕は単純にその流れにうまいこと乗ったってわけさ。
ジャンルを問わずに僕はコラボレーションし続けた。
コラボレーションって言葉がその頃流行ったのさ。
親父は当の昔にやっていた。
そういう企画を考えてステージで発表するのが親父は好きだった。
詩吟と日本舞踊、詩吟と居合い、詩吟と書道、詩吟と手品(笑)、
尺八やお琴と合わせるのは定番だけどね。
詩吟だけじゃ面白くないから、いろんな先生とコラボレーションした
ステージ企画を親父はよくやっていた。
居合いと詩吟を組み合わせるために居合道吟も作ってた。
そういうことをず~っとやり続けていたのさ。
僕は歌詞を書く。
作曲もするけど、歌詞を書く方がたぶん得意だ。
200曲以上書いてるだろう。
何かあるとそれを歌詞にして唄う。
何もなくても歌詞を書いて唄う。(笑)
歌詞のスタイルで考えたりするのが好きなのさ。
親父は俳句もやっている。
癌になり入退院を繰り返した頃からは書きまくっていた。
日々の何気ないことを感じたままに書き綴ってた。
筆が持てなくなる瞬間まで書いていた。
それが部屋中、いや廊下の壁一面に貼られていた。
数えると400近くあった。
俳句は世界でもっとも短い詩のスタイルだが、
感じたことをそういう詩のスタイルで書くのが好きだったんだな。
そうやって振り返ると、ジャンルやスタイルは違えど
僕がやってる事のほとんどは親父の後追いじゃん!って思う。
親父はあきれるほど趣味の人だった。
自分の好きなことだけに没頭してた。
若い頃、よく思ったものだ。
僕は歌を作り唄っているが、親父みたいにず~っと続けられるのかな?
今だけで、年を取るとやらなくなるんじゃないのかな?
いつまで続けられるのかな?
ず~っと続けていくって大変なことだよな・・・って、若い頃思ってた。
それをやっちゃってる親父は密かに尊敬に値した。
結局、死ぬ直前までやり続けていたし、葬式の時にはそれで送られた。
死んでも詩吟で送られる・・・こんな最高な人生ってあるかい!!
親父、今最高の気分だろ!って、その時心の中で何度もつぶやいたよ。
幸いにも僕はまだ唄っている。
自分の言葉で歌詞を書き、唄っている。
いつまで続けるのか?まだまだやめられないな・・・。
親父の手前、やめられない。(笑)
そうそう、親父が僕の唄い方を評価したのは、割と最近のことだ。
コラボレーションに対応するために唄い方を変えた頃からだ。
それ以前は唄い方がなってないってクソミソだった。(笑)
実際、そのとおりだったんだけどね。
親父は僕よりキーが高く、高音は僕より出てたし、かなり馬力があった。
声の立ち上がりは、親父の方が断然早かったね。
食道癌だとわかった時、親父は声を失うことを恐れた。
歌唄いだから、当然だよね。
声を失うなら死んだほうがマシだと・・・。
入退院を繰り返してた時、親父はもう喉が弱って唄えなくなってた。
でも、一度だけステージに立って吟じた。
前日まで声が出ないからキャンセルするって言ってたらしいけど
当日の朝、声が出せたのでステージに立ったらしい。
復活できるとは誰も思ってなかったから拍手喝さいだったらしい。
そういう話を聞くと、最高だよなって思う。
最後まで歌唄いだったってわけさ。
僕ももうちょっとがんばらないとダメだね。(笑)
兄弟の中で、親父の後追い?してるの僕だけなんだけどさ。
これって、親父の血を受け継いじゃってるのかな?って思うよね。
まぁ~最初に血を受け継いだの僕だしね・・・長男だから。(笑)
別にマネしてるつもりはなかったんだけど、面白いもんだよね。
似たようなことやってるなって・・・思うわ。
親戚や親父の知人とか、今回たくさん会ってさ。
親父にそっくりだ!と耳にタコが出来るほどみんなに言われてさ。
子供の頃から名札はいらん、顔見ればすぐわかるって(爆)
そんな話ばかり聞かされて・・・参ったね。
親父の息子なんだから、似てるの当然だろうに・・・。
お袋は事あるごとに、唄え唄えとうるさい。
四十九日にみんなが集まったらそこで歌を披露しよう!とか・・・。
そんなことばっかり考えてるんだから参る。
親父もお袋もエンターテーメントが大好きなんだよな。
いつもそういう企画をぶち立てて、家で飲み会&打ち合わせ&リハーサル
そういう家庭に育ったから、子供の頃は居場所がなくってさ。
楽しいのは大人達ばかりで・・・うるさいし・・・結構イヤだったんだよねぇ~。
そのせいか、みんなで集まってガヤガヤやるの苦手で・・・。(笑)
一人で黙々と何かやってるのが好きになったんだと思うわけ。
お袋がそういう話をし出すと、必ずまたかよって顔して無視するんだ。(爆)
僕は作品を作る事は好きだけど、人前で唄うのはそんなに好きではないんだよ。
いや、嫌いじゃないんだけど・・・それ違うでしょ!!
全然関係ないんだけど、ボーカル用エフェクターなんぞを購入しようと思ってる。
ちょっとそういうのにも凝ろうかなぁ~とか思ってね。
弾き語りでもボーカルに凝れるように・・・今、面白いのいろいろあるからさ。
今まで、ボーカルエフェクトってコンプとリバーブくらいしか使ってなくて
それで十分だったんだけど、もう少し工夫してもイイかなって。
小竹サウンドで唄う場合は、サウンドがしっかりしてるんでイイんだけど
弾き語りだと、もうボーカルのクオリテイを上げるしかないでしょ。
歌の上手さというクオリティはもう期待できないけど、
ボーカルサウンドという意味でのクオリティは工夫の余地大有りだからさ。
・・・とか、思ったりして・・・あれこれ考えてる今日この頃。
例えば、弾き語りでライブをしたとしてもボーカルサウンドは
セルフプロデュースできるようにしたいなって思ったりしてさ。
全然そんな予定はないけど、そういうスタイルを身に付けたいと思って。
今の状態だと全然やる気しないし、やってもつまんないから。
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